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シロアリ対策を講じる上で調査は最も重要な要素になります。基礎断熱工法においては、外基礎断熱と内基礎断熱では全く調査の難易度が異なります。内基礎断熱の場合、床下からの点検さえできれば、多くの場合、蟻道(シロアリの通り道)と侵入箇所を確認することができるからです。しかし、外基礎断熱ではそうはいきません。シロアリは基礎外周側面に施された断熱材中を通って侵入してきますが、断熱材表面は化粧モルタル(仕上げモルタル)に覆われおりその経路が全くわかりません。そのため、この構造を理解されていない方では調査を行ったとしてもシロアリの侵入を見逃してしまいます。
私たちは以下のような方法でシロアリの調査を実施いたします。全ての方法を行うのではなく、現場や被害の状況、お施主さまの要望により方法の組み合わせは異なります。

基礎断熱工法におけるシロアリ調査では、床下確認以外の聞き取りや室内・外周の調査、目視確認の難しい部分では手で探る、鏡等を用いて確認するなど様々な方法を組み合わせて確認を行います。そこで得られた情報を総合して判断し、シロアリの侵入ポイントや被害範囲を推測します。

基礎の断熱材に侵入したシロアリが壁の断熱材に
侵入した痕跡。黒い筋が蟻道の跡です。

シロアリの羽アリが飛び出した群飛孔の痕跡。
非破壊シロアリ探知機「ターマトラック」を用いて基礎外周を調査します。目視調査などによりシロアリの生息が推測された箇所や、場合によっては外周全てを隈なく調査することもあります。反応が確認された場合は、その部分の断熱材を剥がしたり、基礎立ち上がり部分が掘れる場合は掘って確認したりします。このように反応の見られた部分の断熱材を剥がすことで確実にシロアリの生息場所を特定できますが、希望によっては剥がすことなくターマトラックの測定のみでシロアリの生息を判断する場合もあります。


ターマトラックによる外基礎断熱の調査風景
外基礎断熱の断熱材を化粧モルタルごと天端から数センチほどカッティングします。カッティングは基礎外周全てで行います。カッティングすることで、シロアリの侵入ポイントを確実に見つけることができるだけでなく、再侵入があった場合にも早期に発見することができます。また、ターマトラックで反応を確認している場合は、一部分のみ剥がすこともあります。

断熱材天端のカッティング

化粧モルタルを剥がすとシロアリの侵入箇所が露わに。
床下からの調査やターマトラックなどによりある程度侵入ポイント推測できた場合、外周の基礎立ち上がり部分が土壌であれば掘って確認にし、被害状況や範囲を調べます。


外側を帯状に掘ってシロアリの侵入箇所を確認します。侵入箇所がわかった場合は、
その上部をカッティングする場合もあります。